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真空管アンプの出力回路について

真空管アンプの出力にトランスを使った場合、そのまま単純に出力するだけだと低音があまり多く出ません。
これは一般に「トランスの自己インダクタンス不足」であるとされます。

自己インダクタンスが足りないと、どうなるのでしょうか?
これは出力回路の等価回路を考えるとよくわかります。
真空管等価回路

トランスの主な役割は「インピーダンス変換」ですが、等価的には図の下ように「1次側インピーダンスに変換された負荷」と「トランスの1次リアクタンス」が並列に接続された形になっています。
また、真空管には内部抵抗があって、これは交流電源に内部抵抗分が直列につながった状態になっています。

ここで、仮に12AV7をトランスで接続した場合を考えてみます。使用するトランスはT600とT1200です。
12AV7の内部抵抗は4800Ω、T600の1次リアクタンスは約40kΩ(880Hz)、T1200の1次リアクタンスは70kΩ(880Hz)とします。
周波数が低くなると、1次リアクタンスも下がります。ですから、真空管の出力電圧は周波数が低くなると1次リアクタンスのほうへ多く流れてしまい、負荷にあまり多く流れなくなります。その様子をグラフにしてみました。
真空管出力特性
T600では60Hzで出力が半減しているのがわかります。自己インダクタンスの大きいT1200は1次リアクタンスも大きいのでその分低い周波数まで出力が伸びていますが、それでも30Hzで半減してしまいます。

では、内部抵抗が大きい5極管を使った場合には、どうなるでしょうか?
仮に内部抵抗を100kΩとして、同様に計算してみます。
真空管出力特性_1
低域で特性が極端に悪くなってしまいました。

逆に、内部抵抗を1kΩとしてみると、
真空管出力特性_2
T600でも20Hzまで伸び、十分な特性が得られるようになります。
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【実験006b】トランスの飽和電流の製品による違い

前回の実験と同じ条件で、別のトランスの自己インダクタンスの変化も測定してみました。
トランス直流重畳4
T1200はT600と同じ東栄変成器製の、倍くらいの大きさの出力トランスです。
MPT-2062は、AC200V入力、AC8V出力の電源用トランスです。

このグラフを見ると、T1200は大きいだけあって自己インダクタンスも大きくなっていますが、飽和電流はそんなに増えていません。
一方で電源用トランスは特徴的で、T1200よりもさらに一回りほど大きいにもかかわらず、自己インダクタンスは低く抑えられ、飽和電流はかなり大きくなっています。これは入力に高い電圧がかかることから自己インダクタンスを犠牲にしても飽和しにくいように、また電圧降下率を小さく抑えるためにギャップを大きめにとっているものと考えられます。
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【実験007a】定電流回路の追試

【実験007】定電流回路の特性を調べてみたの回路は、もともと真空管「300B」のヒーターを点灯するのに使われていた回路で、電流は1.5Aの設定でした。
なので、本来の使い方で追試をしてみました。
定電流回路_2
ベースバイアスは12Vの固定電源とし、コレクタには別に可変の電源を用意して、コレクタ電圧を変化させてみました。
定電流回路_Graph_2
コレクタ電圧を14Vから下げてゆき、7Vくらいまで変化させましたがやはり電流値はピクリとも動きません。このときの電流は1.452A。計算上は1.483A(2.465V÷1.662Ω)なので、誤差は-2.1%です。Rsに5%誤差の酸化金属皮膜抵抗を使用したので、妥当な誤差範囲でしょうか。
コレクタ電圧が5Vまで下がるとわずかに下がって1.450Aになり、そこからはだんだんと電流が減っていきました。
300Bのヒーター電圧は5Vですから、この回路を使う限りでは電源電圧は10V以上あればよいということがわかります。

ちなみに、ベースバイアス抵抗が10kΩと大きな値になっていますが、トランジスタをダーリントン接続にしているためにこれでも十分で、ためしにこれと並列に4.7kΩを接続してみましたが電流値は変化しませんでした。
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【実験006a】トランスに直流電流を流した時の自己インダクタンスを測定しなおしてみた

【実験006】トランスに直流電流を流すと自己インダクタンスはどう変わるのか?では、DCアンプを用いて直流と交流を重畳させた信号を印加して特性を調べてみましたが、少し疑義があって【実験007】定電流回路の特性を調べてみたで作った定電流回路を用いて、トランスの直流重畳時の自己インダクタンスを測定しなおしてみました。

それがこちら。
トランス直流重畳2
以前の実験では、インピーダンスの落ち方がわずかでしたが、こちらでは12~3mAのあいだでがくんと落ちています。

これを、縦軸を対数軸にして表示してみます。
トランス直流重畳3
12~3mAで、ほぼ綺麗な折れ線になっています。

つづく。
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【実験007】定電流回路の特性を調べてみた

「ラジオ技術」2014年9月号61ページに紹介されていた定電流回路(第7図)の特性を調べてみました。
定電流回路
記事ではこの回路をヒーターの点灯回路に使うため、Rsを1.66Ωとして1.5Aの定電流回路として使用していますが、これを私はトランスの励磁回路に使うため、1~50mAの定電流回路として使用します。

実際の回路としては、Rsに2.2kΩを固定で接続し、追加で並列にいくつかの抵抗を接続していく方法にしています。

その特性がこちら。
定電流回路_Graph
電流の少ない順に、Rs=2.2kΩ・2.2kΩと1kΩの並列、2.2kΩと470Ωの並列、2.2kΩと220Ωの並列、2.2kΩと100Ωの並列、2.2kΩと47Ωの並列となっています。
おおむね、電源電圧が9V以上あればほぼ完全な定電流回路となっています。3・5桁のデジタルテスターで最小桁が1変わるかどうかぐらいの安定度です。動作抵抗はほぼ無限大といっていいと思います。
(なお、電流測定用に出力に100Ωの抵抗を接続して測定しているため、最大の電流のグラフはその影響を受けているようです。)
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プロフィール

@ぽっけ

Author:@ぽっけ
底辺Makerを自負する@ぽっけが日々製作している「初歩の電子工作」の記録です。
自分で「あっ、あれ欲しい!」と思ったものを猪突猛進、地で製作しています。

★略歴

電子工作は中学のとき、授業でやるよりも早く自分で始めました。・・・といっても小遣いも少なく技術も未熟だったので、ラジオを作るのさえもやっとでした。

高校・大学でも工作を続け、大学在学中にようやくトランジスタ回路の基礎が理解できるようになってきました。

大学卒業後はメーカーに就職し設計職で忙しい毎日を過ごす中で工作からは遠ざかっていましたが、事務職に配転となり時間に余裕ができてまた工作を始めました。そんな中で2011年のCP+(カメラショー)併設展の「Business Meets」に出展していたテキサス・インスツルメンツのブースで「MSP430 Launchpad」に出会ってから、マイコンを使った電子工作を始めました。

また、鉛フリーはんだに興味を持って、10数種類のはんだをリールで購入。個人で使うには約1200年分の在庫を持つという暴挙を成し遂げ(?)ました。

★イベント出展実績
●Make: Tokyo Meeting 07
●Make: Ogaki Meeting 2012
●Maker Faire Tokyo 2012
●ニコニコ超会議「作ってみタワー ワークショッププロジェクト」
●NT金沢2013
●Maker Faire Tokyo 2013
●ポタアン自作er展示会 atポタ研2014冬
○NT金沢2014(予定)

☆TwitterID:
  @pokke_yamada

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