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バッテリー充電器の回路(その2)

その1で紹介した定電流回路のオペアンプを「コンパレータ」に交換すると、面白いことが起こります。
Ni-MH_Charge_基本03
図3.オペアンプをコンパレータにする

回路図に何の変化もありませんが、いちおうコンパレータに置き換わったと見て下さい(笑い)。

図1でRsの電圧がD1の電圧よりも低いとき、オペアンプだとその出力は「徐々に電圧が上がり」ますが、コンパレータだと「ほぼ一瞬にして最高値まで上がり」ます。
その最高値の電圧がTr2のベースに加わるので、Tr2はほぼ完全にオン状態となり、それによってTr1もオン状態になります。
すると、Tr1を通じて大きな電流がBATTからRsまで流れるので、今度はコンパレータの出力は「ほぼ一瞬で完全にゼロ」になります。そうするとTr2・Tr1も完全にオフの状態になります。
これらが繰り返されることで、いわゆる「スイッチング動作」をするようになるのです。

110922-202618.jpg
図4.コンパレータの出力電圧波形

110922-202417.jpg
図5.Rsの電流波形


ここで、Tr1とBATTの間に、下の図2のようにコイルLとダイオードD2を入れてみます。
Ni-MH_Charge_基本04
図6.コイルとダイオードを追加

すると、Tr1がオン状態になっても、コイルの影響で電流はすぐに大きくならず、徐々に増えていきます。そしてRsの電圧がD1よりも大きくなり、コンパレータの出力がゼロになってTr1がオフになると、今度はコイルの電流は徐々に減っていきます。これが細かく繰り返されることで、BATTには「だいたい一定の」電流が供給されるようになります。
110926-200018.jpg
図7.コンパレータ出力電圧(黄色)とRs電流波形(水色)

ちなみに、Tr1がオフの状態になっても、コイルの電流はすぐにはゼロにはなりません。Tr1がオフのときには、ダイオードD2を通じて電流が流れるのです。

また、コンパレータの出力が最大値になっても、トランジスタはすぐにはオンにはならず、1億分の何秒という非常にわずかな時間だけ遅れます。オフになるときもそうです。
※オフになるときの遅れは1億分の数百秒と、オンになるときに比べれば非常に長いです。図7でも、コンパレータ出力電圧がゼロになってからもしばらくはRs電流が増え続けていて、Tr1がオンのままであることがわかります。が、絶対的にいえば非常に短いことには変わりありません。

普通のオペアンプでは、コンパレータのように出力が急激に増加しないように、出力の変化する勢い(スルーレートといいます)を制限する回路を設けてあります。なぜかというと、逆にコンパレータのように最高値とゼロとを繰り返すような動作(発振といいます)をさせたくないからです。
たとえば、アクセルを踏み込んでから1秒遅れて加速しだす(ブレーキも1秒遅れて利き出す)自動車があったとします。その車が加速するのに1秒遅れることを知らない人は、車を動かそうとするときにアクセルを踏み込んでも走り出さないのでもっと多く踏み込んでしまうでしょう。そして1秒後に車が突然急加速してしまいます。それであわててブレーキを踏みますが利きませんから、思いっきりブレーキを踏み込んで、1秒後には今度は急停車します。コンパレータをこの回路で使ったときには、その急加速・急停車を繰り返しているといえます。
一方で、1秒送れることを知っている人は、アクセルやブレーキを「ほんのわずかずつ」踏み込んで車を走らせます。オペアンプはそのように「ほんのわずかづつ」動かすように制限を加えたものなのです。


なお、このような「スイッチング動作」をさせると、電気の効率が非常に高くなります。
(その1)で紹介したような、電流を少しずつ増やしたり減らしたりする方法(リニアレギュレータ方式)では、トランジスタTr1は抵抗の役割をします。抵抗に電流を流すと電力を消費するので無駄が発生します。
一方でこのスイッチング動作による「スイッチング方式」だと、トランジスタはスイッチと同様に抵抗値が無限大とほぼゼロとを繰り返すだけなので、少なくともトランジスタでは電力を消費しません。そのため電源から供給される電力の多くが電池に蓄えられることになります。
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最近

生基板の消費量が多くて、そろそろ在庫がヤバい。
100mm四方(急速充電器に使用)のはなくなった。
100×75mmのも2枚しかない。

これも熱転写法で気軽に配線板が作れるようになったからだと思う。
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Make Tokyo Meeting 07 エントリーしました。

以上、ご報告まで。

Make Tokyo Meeting 07:Make Japan
http://jp.makezine.com/blog/2011/12/mtm07.html
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バッテリー充電器の回路(その1)

Ni-MHバッテリーは、基本的に一定の電流で充電します。そのため、電源の電圧や電池の電圧が変わっても一定の電流を流す回路を組まなくてはなりません。これを「定電流回路」といいます。Ni-MHバッテリー充電器の基本的な部分です。

Ni-MH_Charge_基本01
図1.定電流回路

図1「定電流回路」の基本形です。
D1はツェナーダイオードなどで、基準となる一定の電圧を発生します。AMPはオペアンプです。
Rsに電流が流れると、その両端に電圧が発生します。それをAMPでD1の電圧と比較し、Rsの電圧が低い(=電流が少ない)とAMPは出力電圧を上げ、逆にRsの電圧が高い(=電流が多い)と出力電圧を下げます。
AMPの出力はTr2のベースに接続され、さらにコレクタがTr1のベースに接続されています。このとき、Rsの電流が少ないと、AMPの出力電圧が上がり、Tr2のベースに流れる電流が増え、Tr2のコレクタ電流も増えるのでTr1のコレクタ電流(=Rsの電流)が増えます。逆にRsの電流が多いと、AMPの出力電圧が下がって、Tr2のベース電流が減り、Tr2のコレクタ電流も減るのでTr1のコレクタ電流(=Rsの電流)も減る、という動作になって、結果的にRsに流れる電流は一定に保たれます。

なお、+Vの電圧がほぼ一定に保たれているならば、D2の代わりに抵抗R3を使って簡略化することもできます。
Ni-MH_Charge_基本02
図2.定電流回路(変形)

Rsの両端にかかる電圧は、D1(=R3)の両端の電圧と等しくなります。
D1の電圧が高いと、電流を多く流す急速充電器ではRsで消費される電力(これは無駄に熱となってしまいます)は非常に大きくなります。ツェナーダイオードで特性のよいものは5V程度ですし、TL431などを使用しても2.5Vという高い電圧になるため、ここでの消費電力はバカになりません。またその電力のために、抵抗も大型のものが必要になってしまいます。もちろんこの電圧をさらに抵抗で分圧しても良いのですが、その分使用する部品が増えてしまいます。
そこでD1をR3に交換し、かつR3の値をよく検討してかかる電圧を低く抑えると、無駄な消費電力を削減することができます。だいたい0.1~0.2V程度にするのが良いかもしれません。電流の特性は+Vの安定度に依存しますが、この程度でもあまり大きな問題にはならないでしょう。
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できました。

ニッケル水素バッテリー急速充電器のプロトタイプです。
_DSC7806.jpg
我ながら早すぎ(笑い)。ていうかその前にすっ飛びすぎ。
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プロフィール

@ぽっけ

Author:@ぽっけ
底辺Makerを自負する@ぽっけが日々製作している「初歩の電子工作」の記録です。
自分で「あっ、あれ欲しい!」と思ったものを猪突猛進、地で製作しています。

★略歴

電子工作は中学のとき、授業でやるよりも早く自分で始めました。・・・といっても小遣いも少なく技術も未熟だったので、ラジオを作るのさえもやっとでした。

高校・大学でも工作を続け、大学在学中にようやくトランジスタ回路の基礎が理解できるようになってきました。

大学卒業後はメーカーに就職し設計職で忙しい毎日を過ごす中で工作からは遠ざかっていましたが、事務職に配転となり時間に余裕ができてまた工作を始めました。そんな中で2011年のCP+(カメラショー)併設展の「Business Meets」に出展していたテキサス・インスツルメンツのブースで「MSP430 Launchpad」に出会ってから、マイコンを使った電子工作を始めました。

また、鉛フリーはんだに興味を持って、10数種類のはんだをリールで購入。個人で使うには約1200年分の在庫を持つという暴挙を成し遂げ(?)ました。

★イベント出展実績
●Make: Tokyo Meeting 07
●Make: Ogaki Meeting 2012
●Maker Faire Tokyo 2012
●ニコニコ超会議「作ってみタワー ワークショッププロジェクト」
●NT金沢2013
●Maker Faire Tokyo 2013
●ポタアン自作er展示会 atポタ研2014冬
○NT金沢2014(予定)

☆TwitterID:
  @pokke_yamada

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